ジープの歴史 1960年代

1962年、Jeep®ブランドは1963年モデルのWagoneerを導入しました。ラグジュアリーSUVの元祖となるモデルの登場です。ユーティリティワゴンWillysに代わるWagoneerは、乗用車風のスタイリングと快適性、利便性に四輪駆動のメリットを融合した革命的なクルマで、革新技術や業界初となる装備機能を満載していました。例えば、4×4モデル初のオートマチックトランスミッションや独立懸架式フロントサスペンション、業界初のオーバーヘッドカム6気筒トラックエンジンやオートマチック フルタイム4WDシステムなどです。 1973年にはフルサイズのJeep®トラックおよびワゴンに、4WDシステム、クォドラトラック®を設定。後にはCJ-7にも採用されました。 工業デザイナー、ブルックス・スティーヴンズがデザインを手がけたWagoneerは、モダンなスタイリングで人々の心を捕らえました。Wagoneer Station Wagonや初期のCherokeeを含む“Senior”(SJ)ラインは、28年余りにわたって生産され、生産終了当時、同一プラットフォームによる連続生産として米国自動車史上の最長記録となりました。尚、1984年、Wagoneerは小型WagoneerおよびCherokee XJモデルの導入にともない、Grand Wagoneerと改称されました。

1965年、Jeep®ブランドは初めての本格的ラグジュアリー4×4となる洗練モデルSuper Wagoneerを導入しました。“Super Custom”の異名を持つこの高級版Wagoneerは、強靭でセダンの快適性と汎用性を兼ね備えたクルマを求める人のために開発されました。1速トランスファーケースを搭載することで、天候に左右されない走破性を実現していました。 Super Wagoneerは、ラグジュアリーSUV市場の道を切り開いたモデルです。Wagoneerのほぼ2倍の価格で、他のモデルとは一線を画していました。1975年には、その後Wagoneerのトレードマークとなった「木目仕上げ」が導入されています。

1960年代後半、4WD車のレジャー利用への関心が高まりとともに、新シリーズJeepster Commandoが導入されました。このモデルはWillys JeepsterとWillys Commando Fire Truckから名前を受け継いだスポーティモデルでした。 海辺で楽しめる若さのイメージを強調した広告とともに発売されたCommandoは、小型4WDとして初めてオートマチックトランスミッションを搭載。また悪天候でも難なく走り、ビーチの女性に人気のあるインテリアを備えていました。 CJ-6のシャーシをベースに作られたC-101は、ロードスター、ピックアップ、パワートップコンバーチブル、ステーションワゴンと、4種類のボディを設定していました。Commandoの初期モデルは、Jeep®ブランドのファンの間で長年愛されたモデルのひとつです。 Jeepster Commandoには、1967～1971年のJeepster Commando C-101と1972～1973年のCommando C-104の2つのバージョンがあったほか、特別仕様車もいくつか製造されています。1971年に開発されたSport Commando SC-1は、V型6気筒エンジンを標準装備したほか、「バタースコッチ」特別ペイント仕上げと「スピードストライプス」を設定していました。 1972年、Commandoはフロントエンドのデザインから伝統のJeep®グリルを捨てました。このことが、Commandoがまもなく生産終了となった原因ではないか――多くの人がそのように考えています。

CJ-6のシャーシをベースに作られたモデルです。このボディには、ロードスター、ステーションワゴン、ピックアップ、パワートップコンバーチブルの4種類が設定されていました。